溺れるナイフ

2016年11月 TOHO CINEMAS 新宿
見に行っていました、溺れるナイフ。

すべてが鮮烈。まぶしい全能感。
映画の尺には収まりきらない、大きな作品。
ずっと原作を読みたいと思っていました。

で、買っちゃいました。
漫画全17巻。「全巻漫画.com ヤフー店」で中古2880円(送料込み)。

どうでもいいんだけど、全巻漫画.com はイマイチでした。
シールのはがし後とかが残っていて、その辺はちゃんとして送ってよ!と思ってしまう。
自分でシールはがしスプレーでキレイにしました。
まぁでも、そんなことをとやかく言うなら新品買えって話ですね。安かったし。
中身が読めれば良いって人にはめちゃくちゃおすすめです。とにかく安い。
シール以外に気になるところはなかったので、良い買い物だったと思います。

(ほぼ同じタイミングで「ブックオフオンライン」でも中古漫画を大人買いしたんですけど、こっちはめちゃめちゃ綺麗でした。108円の漫画なのに。さすがブックオフ。)

まぁそんな事はどうでも良いくらいに、原作漫画の『溺れるナイフ』はとてもとても良かった。
少女漫画の域を超えているんですよね。
青年時代の全能感と、輝き。
誰にも負けない、すべてを手の中に持っているような感覚。

そういうものを、すごくよく表していて、「あぁ、こういうの好き」ってゾクゾクしちゃう。
あさのあつこさんの小説で『バッテリー』というのがあるんですけど、私それが大好きで。
あれを読んだときの興奮と似たものを感じました。
バッテリーを読んだ時は中学生だったから、
そのときの感性は今の私にはないわけだけど(悲しい)、呼び覚まされるというか、思い出させてくれる。

壊れやすい全能感って、なんていうか、儚い一瞬の輝きみたいで、良いんですよね。

それで、溺れるナイフの何が良いかって言ったら、何でも出来ると思っていた輝かしい毎日が失われて、苦しみながら生きる様子が丁寧に描かれているんです。

そしてさらに素晴らしいのが、苦しいだけで終わらないところ。
もう一度挑戦して、乗り越えて、強く強く生きる姿が、今の私にはとっても眩しい。
何者にも成れずに大人になるのかなぁ、とか思っているような今の私には、とっても。

でも、こういう気持ちをなくしたくはないなぁと思います。
伝わるかな。伝わらなくてもこの際どうでもいいな。


少女漫画っぽさという側面での話も少ししておくべきでしょうか。
キュンキュンしたり、焦らされてモヤモヤしちゃうのが少女漫画の面白さというか、らしさですよね。

そういう点もしっかり仕掛けられていたので、少女漫画だ!ってちゃんとなりました。
本当は前の彼氏のこと気になって仕方ないのに、別の人(こういうのはだいたい優しいピュア系男の子と相場が決まっていますよね)と付き合っちゃう。
もう、THE少女漫画って感じのモヤモヤ。ヤキモキ。
良いよね、うんうん(全国の女子がうなずく姿が見える)。

そんなわけで、かなりオススメの作品です。
映画も素晴らしいので、ぜひ。
菅田将暉と小松菜奈が美しすぎるので、そういうところを求める人にも。

それにしても『溺れるナイフ』というタイトルも最高。

ジョージ朝倉さん、ありがとう~~!


itoi

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